地下の公卿(読み)ジゲノクギョウ

デジタル大辞泉 「地下の公卿」の意味・読み・例文・類語

じげ‐の‐くぎょう〔ヂゲ‐クギヤウ〕【地下の×卿】

清涼殿殿上てんじょうの間昇殿を許されない公卿地下上達部かんだちめ

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精選版 日本国語大辞典 「地下の公卿」の意味・読み・例文・類語

じげ【地下】 の 公卿(くぎょう)

清涼殿殿上の間に昇殿を許されない公卿。古くは公卿に列する者は一般に昇殿を許されたが、なんらかの理由で一時的に昇殿をとめられる場合があり、このような公卿を称した。鎌倉末期以降公家社会の家格が固定するに伴い、堂上家以外の出身者は公卿であっても昇殿しない例となり、これもまた地下の公卿と呼ばれた。地下の上達部
台記‐久寿元年(1154)一一月二四日「今日臨時祭、〈略〉今日、中納言中将不参、依還昇也、〈地下公卿者、依殊召参入也〉」

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世界大百科事典(旧版)内の地下の公卿の言及

【地下】より

…特に鎌倉末期以降に公家の家格が固定されると,位階官職に関係なく地下であり続ける者を生じ,堂上家以外の出身者は公卿となっても昇殿しない慣例となった。これを〈地下の公卿〉というが,このころには代々地下の家の出身者を任用する官職も定まり,これを〈地下の官〉とよぶようになった。(2)〈官人〉に対する語で,位階・官職などの公的資格をもたないこと,およびその人を指す。…

※「地下の公卿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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