国頭方西海道(読み)くにがみほうせいかいどう

国指定史跡ガイド 「国頭方西海道」の解説

くにがみほうせいかいどう【国頭方西海道】


沖縄県国頭恩納(おんな)村にある街道跡。琉球王朝の首都であった首里と国内各地を結ぶ宿道(しゅくみち)の一つ。西海道は首里の西原間切(まぎり)(琉球の行政区画)から浦添(うらそえ)、北谷(ちゃたん)、読谷山(ゆんたんざ)、金武(きん)、名護、今帰仁(なきじん)、国頭の各間切を通る。そのうち、読谷山の喜名から恩納を経て、国頭地方に向かう道を「国頭方西海道」と称した。道幅は約2.4m、両側に松並木が植栽され、交通の歴史を考えるうえで重要とされ、2004年(平成16)に、比屋根坂(ひやごんびら)石畳道、御待毛(うまちもう)、真栄田(まえだ)、仲泊(なかどまり)の一里塚石矼(いしばし)などを含む約1.3kmが国の史跡に指定された。15世紀後半以降の第二尚氏時代には海上を含むすべての道が首里に通ずる道として整備されたといわれ、恩納村を通る西海道は、読谷から多幸山、山田城跡や恩納城跡の下を通過する琉球王朝時代の各間切の番所と番所を繋ぐ宿道となっていて、人々や文物の交流を担った主要道路であった。那覇空港から車で約1時間20分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報