国連カンボジア暫定統治機構(読み)コクレンカンボジアザンテイトウチキコウ(英語表記)United Nations Transitional Authority in Cambodia; UNTAC

デジタル大辞泉 の解説

こくれん‐カンボジアざんていとうちきこう【国連カンボジア暫定統治機構】

アンタック(UNTAC)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

国連カンボジア暫定統治機構
こくれんカンボジアざんていとうちきこう
United Nations Transitional Authority in Cambodia; UNTAC

略称アンタック。 1991年 10月のパリ包括和平協定を受け,92年2月の国連安保理決議 745号によって設立されたカンボジア紛争終結と再建のための国連組織。明石康事務総長特別代表を最高責任者とし,総員約2万 2000人 (軍事部門1万 5900人,文民警察 3600人,文民 2500人) ,当初予算 19億ドルを投入して展開された国連史上最大の平和維持活動 PKOを担当した。その権限は (1) 停戦監視,カンボジア諸派の武装動員解除,地雷除去などにあたる軍事部門,(2) 新政府樹立のための自由な総選挙実施のための選挙部門,(3) 36万余の難民帰還を推進する難民帰還部門のほか,警察部門,人権部門,行政部門,復興部門など7部門に及んだ。 93年5月の総選挙を経て同年9月新憲法が公布され新体制が発足したのをもって,UNTACはその役割を終えたが,内戦状態にあるとはいえ,国連組織が主権国家の総選挙を代行することの妥当性,武装動員解除を拒否するポル・ポト派への対処,そして平和憲法をもつ日本自衛隊の PKO参加の是非などをめぐる複雑な問題を提起した。

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