国家安全保障戦略[日本](読み)こっかあんぜんほしょうせんりゃく[にほん](英語表記)National Security Strategy

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

国家安全保障戦略[日本]
こっかあんぜんほしょうせんりゃく[にほん]
National Security Strategy

2013年国家安全保障会議安倍晋三内閣の閣議で決定された,日本の中長期的な安全保障政策の指針となる戦略。1957年に決定された「国防の基本方針」に代わるものとして策定された。基本理念として,国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から,国際社会の平和や安定,繁栄へ積極的に寄与することを掲げる。国家間のパワーバランスの変化,グローバル化や技術革新による非国家主体の影響力の増大大量破壊兵器拡散テロリズム脅威などを安全保障環境ととらえ,朝鮮民主主義人民共和国北朝鮮)の軍事力増強や中国の急速な台頭をアジア太平洋地域における課題に位置づけた。戦略的アプローチとして,外交の強化や総合的な防衛体制の構築,海洋安全保障の確保,サイバーセキュリティや情報機能の強化,防衛装備品の国際的な共同開発,移転に関する新たな原則(→武器輸出三原則)の策定,宇宙空間の安定的利用の確保などがあげられ,日米同盟(→日米安全保障条約)の強化も明記された。

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