四無所畏(読み)しむしょい

精選版 日本国語大辞典 「四無所畏」の意味・読み・例文・類語

し‐むしょい ‥ムショヰ【四無所畏】

〘名〙 仏語。仏菩薩説法するに当たって抱いている、畏(おそ)れることのない四種の自信。四無畏
(イ) 仏の場合は、自分は一切法を悟ったという自信である一切智無所畏、自分は一切の煩悩(ぼんのう)を断ち切ったという自信である漏尽無所畏、修行の障害となるものはすでに説いたという自信である説障道無所畏、苦を離れて悟りに達する道を説いたという自信である説尽苦道無所畏の四つをいう。〔増壱阿含経‐一九〕
(ロ) 菩薩の場合は、聞いた教えを忘れないで、他に説いて畏れない能持無所畏、衆生の機根を察し、それに応じた説法ができると畏れない知根無所畏、衆生の疑問を解決することに対して畏れない決疑無所畏、どんな質問にも回答して畏れない答報無所畏の四つをいう。〔大智度論‐五〕

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