四座・四坐(読み)しざ

精選版 日本国語大辞典 「四座・四坐」の意味・読み・例文・類語

し‐ざ【四座・四坐】

[1] 〘名〙
四方座席に座する人。座全体。満座。
※懐風藻(751)秋日於長王宅宴新羅客・序〈下毛野虫麻呂〉「芝蘭四座、去三尺而引君子之風」 〔禰衡‐鸚鵡賦〕
能楽で、座中での地位が第四位の人。四番めの大夫。
※申楽談儀(1430)附載「得分の事。三、長殿。二、端居。三座、一分半。また、一を三に分けて、四座より六位まで、分けて取るべし」
[2]
[一] 能楽で、四つの座、また、その流派をいう語。観世宝生・金春・金剛の四流。のちに、喜多流を加えて四座一流という。
風姿花伝(1400‐02頃)四「大和国春日興福寺神事おこなひとは、二月二日、同五日、宮寺において、四座の申楽」
[二] ((一)を守る神をまつっているところから) 住吉神社の異称
[三] 四軒の芝居小屋。特に、江戸で中村座・市村座・森田座・山村座をいう。

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