嗅球(読み)キュウキュウ

デジタル大辞泉 「嗅球」の意味・読み・例文・類語

きゅう‐きゅう〔キウキウ〕【嗅球】

鼻腔にある嗅細胞が受容した匂い分子の情報を処理し、高次の嗅覚中枢へ伝える脳の領域。脳の前方終脳の先端部にある。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の嗅球の言及

【嗅覚】より

…細胞体から深い部分は,急に細くなり無髄の神経繊維(直径約0.2μ)となる。これらが集まって嗅神経olfactory nerveとなり,第一次中枢の嗅球に達している。1個体がもっている嗅細胞の数は,ヒトで約500万,イヌは1億~2億,ウサギ約1億個と推定されているが,最近電子顕微鏡を使って調べられた脊椎動物がもっている嗅細胞の概数は表のようである。…

【嗅脳】より

…しかし解剖学的には,嗅脳に属する多くの部分が特別に嗅覚に関係しているとは言いがたいので,好んで使用されるべき言葉ではない。 嗅覚関連領域に当たる狭義の嗅脳をいわゆる嗅覚反射系部分と大脳皮質部分とに分けて考えると,嗅上皮からの刺激をうける嗅球と,それにつづく嗅索,嗅結節,前有孔質,中隔部,あるいは梨状葉などの配列は本質的には似ているが,大脳皮質の嗅覚野に関しては動物により大きな差があり,サルやヒトでは,嗅覚刺激は視床背内側核や視床下部付近を経由して眼窩(がんか)面前頭皮質に至り認知されるといわれている。嗅覚【川村 光毅】。…

※「嗅球」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」