日本大百科全書(ニッポニカ) 「喬木(村)」の意味・わかりやすい解説
喬木(村)
たかぎ
長野県南部、下伊那郡(しもいなぐん)の村。天竜川左岸に位置し、東部は伊那山地に及ぶ。集落は天竜川の段丘上に点在し、稲作、野菜やリンゴ、カキ、ナシなどの果樹栽培、畜産を中心とする。特産はコンニャクと観光農園のイチゴ、ブルーベリーなど。村域の80%は山地で、近世はヒノキ、モミ、ツガなどからつくる榑木(くれき)を年貢として納めていた。木地師(きじし)の集落もあり、村の東端の氏乗(うじのり)にはその墓碑が残る。天竜川沿いの阿島(あじま)地区は近世初期には和傘づくりが盛んで、その伝統を引く阿島傘がいまもわずかに製造される。面積66.61平方キロメートル、人口5973(2020)。
[小林寛義]
[補完資料] |