善善・能能(読み)よくよく

精選版 日本国語大辞典 「善善・能能」の意味・読み・例文・類語

よく‐よく【善善・能能】

[1] 〘副〙 (「よく」を重ねて意味を強めた語)
① まったく手落ちのないようにして十分に。念には念を入れて。注意の上に注意を重ねて。くれぐれも。よっく。
多武峰少将物語(10C中)「兄弟、おこなひなむ、よくよくし給ひける」
② 程度がきわめてはなはだしいさま。極度に。ひどく。非常に。大変。
※浄瑠璃・博多小女郎波枕(1718)下「よくよく見限り果てられて、追出されし我宿の」
[2] 〘形動〙
① どうしても他に手段がなくやむなくそうするさま。それ以外、他に考えおよばないさま。よほど。
※虎寛本狂言・花子(室町末‐近世初)「こなたも能々に思召せばこそ、女に向ふて御手を合させらるる」
限度をはるかに越えているさま。
※京大本湯山聯句鈔(1504)「しゃう伴するはよくよくの御意よしぞ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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