善光号(読み)ぜんこうごう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「善光号」の意味・わかりやすい解説

善光号
ぜんこうごう

1881年(明治14)、イギリスマニング・ワードル社で製造され、鉄道局が輸入した蒸気機関車。同年日本鉄道会社の創業とともに移籍した。1882年上野―熊谷(くまがや)間の工事に使用するため、船で荒川をさかのぼり埼玉県川口の善光寺付近で陸揚げされたのが命名由来である。動輪3対(つい)でインサイド式シリンダー、サドルタンク式水槽、変わった煙室扉など珍しい外見で、形式は1290形。鉄道記念物に指定されている。現在は埼玉県さいたま市の鉄道博物館に保存展示されている。

[松澤正二]

『臼井茂信著『機関車の系譜図Ⅰ』(1973・交友社)』

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