唐沢岩陰遺跡(読み)からさわいわかげいせき

日本歴史地名大系 「唐沢岩陰遺跡」の解説

唐沢岩陰遺跡
からさわいわかげいせき

[現在地名]真田町大字長

上田市側からの菅平すがだいら高原への登り口に唐沢滝がある。この滝の下流一〇〇メートル、唐沢が大洞おおぼら川に合流する地点の東側、標高一二四〇メートルにある。根子ねこ岳溶岩流の末端部に形成された岩陰であるが、同種岩陰や洞穴遺跡は菅平高原一帯に多い。吹通ふきどおし陣の岩じんのいわなどが著名である。

昭和三八年(一九六三)の調査で縄文時代早期から前・後・晩期、更に弥生時代中・後期に及ぶ層序が明確にとらえられ、特に縄文後期から弥生後期にわたる層位からは、装飾付鹿角などの骨角器や鹿・猪・カモシカ・熊などの大形獣や猿の遺骸が多量に出土し、自然遺物の検出がむずかしい山岳地帯における該期の狩猟方法や技術の解明に大きく貢献した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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