和田 維四郎(読み)ワダ ツナシロウ

20世紀日本人名事典 「和田 維四郎」の解説

和田 維四郎
ワダ ツナシロウ

明治・大正期の鉱物学者,書誌学者 八幡製鉄所長官;内務省鉱山局長;貴院議員(勅選)。



生年
安政3年3月15日(1856年)

没年
大正9(1920)年12月20日

出生地
若狭国小浜(福井県)

学歴〔年〕
東京開成学校卒

経歴
小浜藩士の子に生まれる。明治8年文部省学務課出仕となり、開成学校教師を兼任。15年内務省初代地質調査所所長となり、帝国大学教授を兼ね、鉱物学について日本人初代教授となった。官制改革により22年地質局長兼鉱山局長となり、近代的鉱業法鉱業条例」を施行した。また洋式製鉄所の建設に尽力し、八幡製鉄所を設立、30年2代目製鉄所長官に就任し、35年退官。日本鉱業会会長となり、のち金属工業研究所長となった。大正6年勅選貴院議員。日本の近代鉱物学の基礎を築いた。また愛書家としても有名で科学的な書誌学の先駆者でもあり、嵯峨本その他について新説を発表した。著書に「日本鉱物誌」「本邦鉱物標本」、「嵯峨本考」「訪書余録」など。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

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