和気郷(読み)わけごう

日本歴史地名大系 「和気郷」の解説

和気郷
わけごう

和名抄」に訓はない。磐梨郡は「続日本紀」延暦七年(七八八)六月七日条の和気清麻呂の奏言によって、和気郡吉井川以西の地域を郡域として新立した。当時の郷名については明らかでないが、同書天平神護二年(七六六)五月二三日条には、吉井川以西で赤坂あかさか・上道両郡から藤野ふじの(のちの和気郡)に割かれた郷名として、珂磨かま佐伯さえき物理もとろい肩背かたせ沙石さいしの五郷をあげる。このなかに当郷名はない。当郷は同年以後「和名抄」の成立する一〇世紀までの期間に新立された郷である。郷名から和気氏と関係の深い地域であった可能性を考えることができる。

和気郷
わけごう

「和名抄」に訓はない。郷域は吉井川の小支流甲和気こうわけ川・乙和気おつわけ川流域の谷底平地を中心とする、現久米くめ柵原やなはら百々どうどう付近と考えられる。平城宮跡出土木簡に「美作国勝田郡和気郷輸調鉄壱連□」とある。当郷から調として貢納する鉄素材の付札である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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