呼出状(読み)よびだしじょう

精選版 日本国語大辞典 「呼出状」の意味・読み・例文・類語

よびだし‐じょう ‥ジャウ【呼出状】

〘名〙
① 呼び出すための書状出頭を命ずる書状。呼状
※狐の裁判(1884)〈井上勤訳〉二「熊『ブルイン』は、召換状(ヨビダシジャウ)を携さへつつ」
② 江戸時代、訴状を受理した奉行所が出す、被疑者や訴訟関係者を召喚する書状。差紙(さしがみ)よりややゆるやかなもの。
堺事件(1914)〈森鴎外〉「五月二十日に、南会所から九人のものに呼出状(ヨビダシジャウ)が来た」
民事訴訟で、期日を訴訟関係人に知らせて出頭を命ずる書面裁判所書記官が作成し、送達する。また、少年法で家庭裁判所が出すものもいう。
民事訴訟法(1926)一五四条「期日に於ける呼出は呼出状を送達して之を為す」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「呼出状」の意味・わかりやすい解説

呼出状
よびだしじょう

民事訴訟において、原告や被告その他の訴訟関係人に期日を知らせて出頭を命じる旨を記載した書面をいう。呼出しはこれを書面にして送達することによって行うのを原則とするが、当事者その他の関係人が当該事件について出頭している場合には、その者に口頭で告知するだけで足りる。

[池尻郁夫]

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