吾甫也古(読み)うふやく

朝日日本歴史人物事典 「吾甫也古」の解説

吾甫也古

生年生没年不詳
15世紀の琉球の造船技術者。『朝鮮王朝実録』(『李朝実録』)に,「琉球国船匠」として登場する。それによると,尚巴志12(1433)年7月,琉球の船匠吾甫也古,三甫羅のふたりが模型船を造り朝鮮国王に進献した。国王から米,豆などを給賜され,このうち吾甫也古は朝鮮女性を妻にめとり永住することになった。彼らは朝鮮側の求めに応じて,約8カ月後に戦艦を造り,朝鮮側の戦艦とその性能を比べた結果,スピードの点で優劣はないが,琉球船は操縦軽快,堅実であるという評価を受けた。朝鮮側は早速その設計図を各地に配り琉球型戦艦を建造,半島沿岸を襲う倭寇対策の船として活用したという。

(真栄平房昭)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「吾甫也古」の解説

吾甫也古 うふやく

?-1434 琉球(りゅうきゅう)の船大工
三甫羅(さぶろう)とともに朝鮮にわたり,1433年琉球船の模型を朝鮮国王に献上。翌年琉球の戦艦をつくり,その性能が朝鮮の戦艦よりまさっていたので,朝鮮各地で琉球型が建造されたという。尚巴志(しょうはし)王13年5月朝鮮で死去

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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