向去却来(読み)こうこきゃくらい

精選版 日本国語大辞典 「向去却来」の意味・読み・例文・類語

こうこ‐きゃくらい カウコ‥【向去却来】

〘名〙
仏語禅家で、平等一如の本体である正位に向かうこと(向去)と、その正位から差別相の偏位に来ること(却来)とをいう。
能楽論で世阿彌が説いた芸風のあり方の一つ。精進して最高の位に到達し、それから再び下位芸風にたちもどって来ること。
※五音曲条々(1429‐41頃)「闌曲者〈略〉是は向去却来して、彌(いや)(た)けてうたふ位曲也」

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