吉野牧(読み)よしののまき

日本歴史地名大系 「吉野牧」の解説

吉野牧
よしののまき

[現在地名]鹿児島市吉野町など

鹿児島藩営の馬牧。近世の吉野村のうち牟礼むれおか、大隅国吉田よしだ郷、同国重富しげとみ郷・帖佐ちようさ(現姶良町)にかかり、周囲約七里(「三国名勝図会」など)。当牧は川上氏が開き、慶長年間(一五九六―一六一五)川上久隅が鹿児島藩主島津家久に献上したといわれる(列朝制度)。「上井覚兼日記」には馬追に関する記述が散見される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の吉野牧の言及

【牧】より

…水戸藩では徳川光圀が1678年(延宝6),常陸国多賀郡大能村(現,高萩市)に牧を置き,牛馬を放牧して〈大能牧〉と名づけ,初めてオランダの馬12頭を入れて繁殖を図り,牧馬は400頭にもなり,牧の地域も多くの村にまたがって広い範囲に及んでいた。西国の薩摩では天文年間(1532‐55)に吉野牧にアラビア馬を輸入して放飼し,唐牧と称していたという。1580年(天正8)には福山牧を,1666年(寛文6)には大嶽野牧を開設し,当時,薩摩藩内に20余牧が存在した。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」