台風(2006年)(読み)たいふう/2006ねんのたいふう/にせんろくねんのたいふう(英語表記)Tropical Cyclones in 2006

知恵蔵 「台風(2006年)」の解説

台風(2006年)

2006年の発生数は23個で平年(26.7個)より少なく、上陸も8月18日1時過ぎに宮崎市付近に上陸した10号(WUKONG)と、9月17日18時過ぎに長崎県佐世保付近に上陸した13号(SHANSHAN)の2個であった(平年2.6個)。このうち、13号は、強い勢力を保ったまま、沖縄地方を通過し、九州地方に接近・上陸したため、沖縄地方から九州地方にかけて暴風となり、沖縄県竹富町西表島で最大瞬間風速69.9メートル、長崎市野母崎で最大風速46メートルを観測した。また、台風と活発な前線の活動により、沖縄県や九州・中国地方では降り始めからの総降水量が9月の月間平均降水量を超える大雨となり、大分県佐伯市蒲江では、1時間に122mmの豪雨を観測した。このため、佐賀県で土砂災害浸水害により死者が3人、宮崎県延岡市では竜巻が発生し死者が3人など、暴風や大雨により、西日本から沖縄で、死者・行方不明者10人、負傷者448人、住家被害1万1900棟、浸水被害1400棟などの大きな被害が発生した。

(饒村曜 和歌山気象台長 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android