可真郷(読み)かまごう

日本歴史地名大系 「可真郷」の解説

可真郷
かまごう

和名抄磐梨いわなし珂磨かま郷の郷名を継ぐか。現熊山町可真上かまかみ・下を遺称地とし、石蓮寺しやくれんじを含む一帯に比定される。

建治元年(一二七五)一一月の聖深田地付属状案(祇園社記)で郷内本免五町と新免を弟子淳弁に譲っている。同状によれば、建仁(一二〇一―〇四)頃にはすでに聖深の祖父の所領であった。実際にはこれ以前に証文を渡された淳弁は雑掌重光法師に預けたが、重光は文永九年(一二七二)銭一〇貫文を経観房より借りた際、この証文をひそかに質物として入れてしまった。のちこの証文は「土倉故実」に従って土倉寄合衆誓智に配分され、建治二年九月に誓智は聖深の親類という超舜に譲渡した。翌年九月超舜は入部して収納をはかったため、淳弁は本所京都祇園社感神院政所に訴え、弘安元年(一二七八)五月淳弁は勝訴した(「感神院政所下文案」祇園社記など)。観応三年(一三五二)八月、「可真社」雑掌成祐の訴えにより赤蓮寺六郎らの乱妨停止と現地の引渡しが守護松田盛朝に命ぜられ、九月に実行された(「足利義詮御教書」田中教忠所蔵文書など)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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