口之津町(読み)くちのつちよう

日本歴史地名大系 「口之津町」の解説

口之津町
くちのつちよう

面積:九・九六平方キロ

島原半島の南端部に位置し、北東部は南有馬みなみありま町、北西部は加津佐かづさ町に接する。町域の北部に富士ふじ(一七六メートル)があり、丘陵上に貝瀬かいぜ川が流れる。南東部に突き出た早崎はやさき半島があり、その付根入江になっている。南の熊本県天草あまくさ島との間の四―五キロにわたる早崎瀬戸は水深二五―一一七メートルで、潮が速く(大潮時の平均流速は約六ノット)瀬詰せづめの瀬戸ともいわれる。東部の海岸部から北西部にかけて島原鉄道が通り、それにほぼ並行して国道二五一号があり、中央部には国道三八九号が通る。町域南部は島原半島県立公園の指定域内。

町域の三軒屋さんげんや貝塚では弥生時代後期から古墳時代前期の土器石器鉄器・骨角器がみられるほか、漏斗形の支脚土器の出土が多く、製塩遺跡と推定されている。久木山の波止くぎやまのはとと早崎の烽火ほうか山は古くから開かれた地とされ、早崎には延喜一七年(九一七)烽火が設置されたという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報