原始乱婚(読み)げんしらんこん(英語表記)primitive promiscuity

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「原始乱婚」の意味・わかりやすい解説

原始乱婚
げんしらんこん
primitive promiscuity

確固とした婚姻制度がなく,基本的に自由に性的交渉をもつことができたとされる状態。 L.H.モーガンや J.J.バハオーフェンは,乱婚状態から次第に婚姻制度が確立していくという進化過程を想定した。しかし,乱婚制は現在存在せず,かつて存在したという歴史的証拠も見つかっていない。また,C.レビ=ストロースは,社会近親婚禁止 (→インセストタブー ) によって成立する,つまり婚姻関係が人間社会の成立基盤になっていると主張した。こうしたことから,今日では原始乱婚の存在は疑問視されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android