千見村(読み)せんみむら

日本歴史地名大系 「千見村」の解説

千見村
せんみむら

[現在地名]美麻村千見

現美麻村北部の土尻どじり川峡谷沿いの山村で、周囲は高山を負い、東は江戸時代の松代まつしろ小根山おねやま村に接している。

千見の語源は狭い谷間の意味を有するといい、そのような地形を利して室町時代末期にはここが軍事上の要衝となった。

千見の名は、弘治元年(一五五五)千見にほど近い小根山の土豪大日向主税助が武田晴信に味方して与えられた感状(大日方文書)の中に「千見之地被乗取候砌」とあるのを初見とする。

その後上杉・武田両氏の抗争を経て天正一〇年(一五八二)武田氏が滅亡した後は、松本平まつもとだいらを領有した小笠原氏と上杉氏の抗争の間に千見村にある千見城はその攻防焦点となり、城主も変転常ない状態であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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