美麻村(読み)みあさむら

日本歴史地名大系 「美麻村」の解説

美麻村
みあさむら

面積:六六・九五平方キロ

北安曇郡中部に位置し、丘陵性山地である中山なかやま山地北端の山間村落である。村居の最高所の標高およそ八六〇メートルから最低所の標高およそ五八〇メートルと甚だ起伏に富んだ地形に立地し、北部には土尻どじり川の谷が、南部には金熊かなくま川の谷などが山地を深くえぐり、村を二分している。

このような地形から現美麻村と隣村八坂やさか村は古くから山中さんちゆうとよばれ、田畑面積は総面積の九パーセントにすぎず、古くから畑作として麻の生産が行われてきた。慶長一四年(一六〇九)一〇月一八日付の平林文書の「山中当秋麻定之事」によれば、「他国之者山中へ入こみ、麻むさとひろいかい仕間敷事」と定め、麻の生産地として著名であった山中へ他国の麻商人が立ち入り、勝手に麻を買い取ることを禁じており、当村の麻生産の状況をうかがうことができる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報