十合枡(読み)じゅうごうます

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「十合枡」の意味・わかりやすい解説

十合枡
じゅうごうます

10合で1升になる,いわば十進法による正常な律令制下においては,大枡,小枡があり,公定枡として使用されたが,律令制の崩壊,荘園制の展開に伴って,平安,鎌倉時代以降は,領主,地方により名称や容量の異なる各種の私枡が現れ,十合枡のほかに,六合枡,八合枡,九合枡,さらには十一合枡,十三合枡などが使用された。室町時代,商品経済の進展に伴い,商業圏の確立された地方に,京枡や奈良枡のように,地域的に統一された十合枡が使用されるにいたった。やがて,豊臣秀吉天下統一の進展とともに,枡の全国的統一も進み,京枡が判枡として採用された。江戸幕府はさらにこれを進め,寛文9 (1669) 年斗量の制を定め,京枡 (新京枡) に統一した。

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