加藤与五郎(読み)かとう よごろう

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「加藤与五郎」の解説

加藤与五郎 かとう-よごろう

1872-1967 明治-昭和時代の化学者。
明治5年7月2日生まれ。東京高工教授をへて昭和4年後身の東京工業大教授となる。酸化金属磁石の発明,アルミナの新製造法の開発で知られる。32年文化功労者。昭和42年8月13日死去。95歳。愛知県出身。京都帝大卒。著作に「電気化学要論」「工業化学」など。

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世界大百科事典(旧版)内の加藤与五郎の言及

【永久磁石】より

…微小粒子によるものは,その単磁区構造に由来した大きな保磁力を利用するのであり,コバルトフェライトからできている。OP磁石(1933年,加藤与五郎,武井武が発明)や鉄およびFeCoパウダーなどがある。結晶磁気異方性によるものは,希土類・コバルト系のものであり,永久磁石の性能としてもっとも大きな値を示し,BH積が約30×106ガウス・エルステッド,保磁力約2万エルステッドのものが得られている。…

【酸化物磁石】より

…前者は合金であるが,後者はフェリ磁性体であるバリウムと鉄の複合酸化物(バリウムフェライト),またはストロンチウムと鉄の複合酸化物(ストロンチウムフェライト)を材料とする磁石である。 酸化物が磁石として開発されたのは,1933年日本の加藤与五郎および武井武によってで,コバルトと鉄の複合酸化物であるコバルトフェライトを用い,OP磁石と名付けられた。現在ではOP磁石に代わってバリウム系フェライトが代表的な酸化物磁石となっており,コバルトとかニッケルなどの高価な材料を用いていないことが有利な点である。…

※「加藤与五郎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」