加沢記(読み)かざわき

日本歴史地名大系 「加沢記」の解説

加沢記
かざわき

加沢平次左衛門

成立 江戸中期

原本 沼田市西山家

解説 加沢平次左衛門は沼田藩士で、元禄五年没。天和元年の主家改易ののち浪人となり、真田氏の歴史を覚書風にまとめたのが本書と推定される。内容は、真田昌幸の吾妻入部から天正一八年豊臣秀吉の関東制圧に至る戦国期真田氏の動向。原本は藩の勘定帳の裏を用いた草稿。浄書・加筆された天明二年本「加沢覚書」一冊・天保三年本「加沢記」五巻二冊などが内閣文庫の所蔵にかかる。軍記基調としつつも、信頼度の高い安堵状・感状・宛行状類を多く引用しており、また川場村吉祥寺・子持山縁起以下地域寺社関係の豊富な情報を集めており、地域史研究上にも重要である。

活字本群馬県史料集」第三巻・「改訂史籍集覧」一四

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報