剥身(読み)むきみ

精選版 日本国語大辞典 「剥身」の意味・読み・例文・類語

むき‐み【剥身】

〘名〙
① 蛤(はまぐり)浅蜊(あさり)など貝類の殻をとった中の肉。また、ゆで卵の、殻をむいたものにもいう。
※咄本・千里の翅(1773)ばかのむきみ「ばかのむきみをうりにくるを」
抱擁(1973)〈瀬戸内晴美〉四「卵のむきみのような陶器の照りを持ち」
② まるはだかであることやむき出しであることのたとえ。裸身。
※談義本・風流志道軒伝(1763)四「かくのごとくの丸裸、馬鹿のむき身と笑れて」
③ 女陰。
※雑俳・末摘花(1776‐1801)二「まつたけでおごとむきみをかき廻し」
④ 歌舞伎の隈取(くまどり)の一種。目尻をぼかし、丸みを持たせたもの。対面の曾我五郎助六など荒事立役に用いられる。むきみ隈。〔戯場訓蒙図彙(1803)〕

すき‐み【剥身】

〘名〙 魚肉などの薄く切ったもの。また、さっとひと塩にした魚の切り身。
※浄瑠璃・平家女護島(1719)三「鯛のすき実、干魣(かます)鰹節

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