刻鞘（読み）きざみざや

精選版 日本国語大辞典

きざみ‐ざや【刻鞘】

〘名〙 打刀や腰刀の鞘に巻鞘にならって刻み目を入れたもの。海老鞘(えびざや)、印籠刻(いんろうきざ)みの類がある。

※浮世草子・武家義理物語（1688）六「革柄(かはづか)に蟹の目貫、無地の鉄鍔(てつつば)に、くり色の刻(キザ)み鞘(ザヤ)」

出典　精選版 日本国語大辞典

世界大百科事典（旧版）内の刻鞘の言及

【鞘】より

…これらの鞘の形状は扁平状の平鞘と倒卵状の丸鞘にわけることができ，平安･鎌倉時代には平鞘はおもに実戦に用いる兵仗に，丸鞘は儀仗に用いられた。室町時代から江戸時代には丸鞘が一般的となり，これに線巻の鞘にならって巻き上げたように刻みを入れた刻鞘（きざみざや）も見られる。また装飾は実用的で各時代を通じて最も多い黒漆塗のほか，梨地，沃懸地（いかけじ），蒔絵，螺鈿などをほどこした華麗なもの，また鮫革包や金銀銅板を蛭巻（ひるまき）したり，あるいは透彫りした薄板を伏せたものも現存する。…

※「刻鞘」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」