切散・斬散（読み）きりちらす

精選版 日本国語大辞典

きり‐ちら・す【切散・斬散】

〘他サ五（四）〙

① 敵の中に切りこんで追い散らす。切りまくる。切り立てる。

※愚管抄（1220）六「とみにうたれずして切ちらし切ちらし逃て、義村が家のはた板のもとまで来て」

② 切って散らかす。むやみに切る。やたらに切る。

※たまきはる（1219）「火のもとに入りて、はしらをきりちらして消ちたるときこえしも」

※太平記（１４Ｃ後）三九「切散されたる母衣(ほろ)結び継いで鎧ゆり直し、喚(をめ)ひてぞ懸入りける」

出典　精選版 日本国語大辞典