切取(読み)きりとり

精選版 日本国語大辞典 「切取」の意味・読み・例文・類語

きり‐とり【切取】

〘名〙 (古くは「きりどり」)
① 一部を切り取ること。区切ってその部分を所有すること。特に、武力領地などを奪い取ること。
※玉塵抄(1563)三六「国々いさかいやうて小な国をば大な国からきりとりにして弓矢合戦ばかりぞ」
※俳諧・談林十百韻(1675)上「その沢のほとりあと付枕〈松臼〉 切どりはにげて野中の朝朗〈一朝〉」
土木工事で、もとからの地盤の高すぎる部分を削り取ること。
梅津政景日記‐慶長一七年(1612)四月二一日「切取を被仰付下候へと申間」

きり‐と・る【切取】

〘他ラ五(四)〙
一部分を切って取る。
書紀(720)崇峻即位前(図書寮本訓)「乃ち、白膠(ぬりて)の木を(キリトリ)て疾(と)く四天王の像(みかた)を作りて」
② 武力をつかって領地などを獲得する。征服する。占領する。
※玉塵抄(1563)三二「北の燕の漠北えとりでて八汗応天などの国をきりとったぞ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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