冗談・戯談・串戯(読み)じょうだん

精選版 日本国語大辞典 「冗談・戯談・串戯」の意味・読み・例文・類語

じょう‐だん【冗談・戯談・串戯】

〘名〙
① (形動) 余計なことを言うこと。また、そのさま。むだぐち。むだばなし。
※虎明本狂言鞍馬参(室町末‐近世初)「でうだんな事、かしましういふまい」
② ふざけて言う話。たわむれの話。常談。
洒落本・魂胆惣勘定(1754)中「すべてやくたひのなきじゃうだんをこのむ国風なり」
③ (━する)(形動) ふざけること。たわむれること。また、そのさま。いたずら冗談事。
狂言記・荷文(1700)「そちがつねづねじゃうだんする故じゃ。ちとたしなめ」
④ (━する) むだばなしをして時間をつぶすこと。さぼること。
※浮世草子・世間手代気質(1730)三「道寄りして隙入れ遅ふ戻ると〈略〉どこに串戯(ジャウダン)してをったと、睨め付らるる」
[語誌](1)狂言など中世・近世の仮名書きの例については、どのような漢字を当てるのが適切か必ずしも明らかでない。①は雑談の意味の「常談」に近いが、②③は「しょうだん(笑談)」に意味が近く、これが俗語で「ジョウダン」と濁音化したものか。
(2)これら語形・意味の類似している語が影響を与えあう中で、明治時代には「戯談」「戯言」「串戯」等が当てられており、異表記は計十数種類に及んだ。
(3)「冗談」に定着したのは大正時代以後のことと見られる。

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