円乗寺跡(読み)えんじようじあと

日本歴史地名大系 「円乗寺跡」の解説

円乗寺跡
えんじようじあと

平安時代中期に建立された四円しえん寺の一。「扶桑略記」天喜三年(一〇五五)一〇月二五日条に「仁和寺南有一形勝、此処立堂、号円乗寺」とあり、跡地は現京都市右京区の谷口円成寺たにぐちえんじようじ町・同花園円成寺はなぞのえんじようじ町の辺りと思われる。円乗寺は後朱雀天皇発願の御願寺で、在位中に落慶されるべきであったが死去したことにより後冷泉天皇が引継ぎ、天喜三年一〇月二五日に、正月の御斎会に準じて落慶供養が行われた。「百錬抄」同日条に「供円教寺新堂、題号円乗寺」と記載されていることから円教えんきよう寺の新堂として建立されたようである。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報