内臓骨(読み)ないぞうこつ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「内臓骨」の意味・わかりやすい解説

内臓骨
ないぞうこつ

脊椎(せきつい)動物の発生の途中、頸(けい)部に現れる内臓弓の中にできる骨格で、臓骨ともいう。動物の種類によって数が異なり、また後の発生に伴って著しい変化を示す。板鰓(ばんさい)類では初め左右七対の軟骨として現れる。第一内臓弓(顎(がく)弓)では内臓骨が口蓋(こうがい)方形軟骨や下顎軟骨となって上下のあごを支える顎骨となる。第二内臓弓(舌骨弓)では舌顎軟骨と舌軟骨とになる。以下の五対は鰓弓で、各軟骨は四節(背方より頭鰓節、上鰓節、角鰓節、下鰓節)からなり、えらを支える。高等な種類になるほど、成体になると軟骨にかわって二次骨が発達する。哺乳(ほにゅう)類では元来の内臓骨は耳小骨、舌骨、喉頭(こうとう)軟骨などになって残っているにすぎない。

[内堀雅行]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例