全・空・虚(読み)うつ

精選版 日本国語大辞典 「全・空・虚」の意味・読み・例文・類語

うつ【全・空・虚】

[1] 〘語素
名詞の上に付き、すべて、全部、すっかり、の意を添える。ごく古い時期に使われた語で、用例は少ない。「うつぬき」「うつはぎ」「うつはた」など。
② 名詞の上に付けて、空虚なこと、からっぽである意を添える。「うつせみ」「うつき」「うつじん」「うつゆう」など。
[2] 〘名〙 (「うつけ(空)」の略) うっかり者。おろか者。ぼんやり。
浮世草子好色敗毒散(1703)四「それがしとても、秤目知らぬほどの虚(ウツ)でもなし」
[補注](一)②の意の「うつ」は、なお「うつろ・うつせ貝」などに見られ、「うつく(うつける)」という動詞をもつくる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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