元禄美濃国郷帳（読み）げんろくみののくにごうちよう

日本歴史地名大系

元禄美濃国郷帳
げんろくみののくにごうちよう

写本 南濃町伊藤家所蔵本（元禄郷帳） 美山町臼井家所蔵本（臼井本元禄郷帳） 大垣市鈴木家所蔵本（鈴木本元禄郷帳） 大野町小川家所蔵本（小川本元禄郷帳） 明治大学刑事博物館所蔵本（明治大学刑事博物館本元禄郷帳） 国立史料館所蔵本（国立史料館本元禄郷帳）

解説 元禄郷帳の作成は元禄一〇年二月大垣藩主戸田氏定・加納藩主松平（戸田）光永が命じられ、同一四年一二月に提出された。伊藤本・臼井本・鈴木本・明治大学刑事博物館本は、郡別に村高・村名・領主名を書上げ、小川本は領知帳形式である。諸本相互では内容に異同がある。伊藤本は奥書に「元禄十三庚辰稔同十四辛巳稔御改下書」とあり、総高六四万五千一〇一石余、村数一千六一六。臼井本は総高六三万八千一石余、村数一千六二八で、最後に領主別の知行高が記されている。鈴木本は総高六四万五千一〇一石余、村数一千六三一。小川本・明治大学刑事博物館本は総高六四万五千一〇一石余と伊藤本と同高で、村数一千八九二。明治大学刑事博物館本の領主の書込みは後筆とみられ、その内容は元禄期よりかなり下った時代のものと考えられる。国立史料館本は伊藤本と同高、村数一千六三一。村高・領主の記載はない。小川本の一部（領主別の知行高）が「岐阜県史」史料編近世二に、明治大学刑事博物館本は同館資料第一〇集として活字化されている。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」