修復物の寿命

六訂版 家庭医学大全科 「修復物の寿命」の解説

修復物の寿命
(歯と歯肉の病気)

 修復物の寿命とは、修復物が歯に装着されてから使用不可能となるまでの期間を指します。修復物が置かれている歯の表面は、非常に厳しい環境です。

 すなわち、唾液の存在があるため常に湿潤状態で、噛むことにより自分の体重ほどの力もかかる場所で、なおかつ0℃~50℃以上の食べ物が触れる温度変化も大きい環境にあるので、修復物は脱落や破折により使用不可能になる場合があります。さらに修復物自体が使用可能でも、新たなむし歯の発生や歯の神経歯髄(しずい))の障害などの問題が起きて、使用不可能になる場合もあります。

 修復材料や治療別の平均使用年数を調査した森田らの報告によれば、アマルガム7.4年、レジン5.2年、インレー5.4年、クラウン(鋳造冠)7.1年、ブリッジ8.0年、ジャケット冠5.9年、継続歯(差し歯)5.8年で、いずれも10年以下です。原因疾患への対処がなく、修復だけ行うのでは自分の歯を守れないことが明らかになっています。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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