クラウン(英語表記)clown

翻訳|clown

精選版 日本国語大辞典 「クラウン」の意味・読み・例文・類語

クラウン

〘名〙 (crown)
王冠。〔外来語辞典(1914)〕
② (王冠の刻印があるところから) イギリスの五シリング銀貨の称。〔現代日用新語辞典(1920)〕
③ 帽子の山の部分。
歯科で、金属冠をいう。
⑤ =クラウンガラス〔物理学術語和英仏独対訳字書(1888)〕

クラウン

〘名〙 (clown) 道化役者ピエロ。〔現代日用新語辞典(1920)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「クラウン」の意味・読み・例文・類語

クラウン(crown)

王位を表す冠。王冠。
王冠の模様のある英国の5シリング銀貨。
帽子の山の部分。
虫歯を治療したあとの歯にかぶせる、金属・セラミック製の覆い。被せ物

クラウン(clown)

道化。道化役者。ピエロ。
[類語]道化師ピエロ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「クラウン」の意味・わかりやすい解説

クラウン
clown

〈土くれ〉〈田舎者〉を意味する英語のclodを語源とする説が有力だが,定説とはいえない。広義の道化foolと区別して用いられる場合には,舞台や見世物の道化役をさす。その祖先は古代ギリシア・ローマの喜劇役者,16世紀から18世紀にかけてヨーロッパを席巻したイタリアのコメディア・デラルテの道化たち(〈ザンニ〉と総称され,その一人ペドロリーノがピエロに発展した),シェークスピアの道化などに求められよう。18世紀イギリスの貴族,軍人の間で馬の曲乗りが流行し,それが見世物として興行されるようになり,ロンドンに半円形の曲馬場が造られたのが近代サーカスの始まりといわれるが,初期のサーカス・クラウンに影響を与えたのは,当時ロンドンの劇場で人気を博していたコメディアン,グリマルディJoseph Grimaldi(1778-1837)の愚かしさと狡猾さをつきまぜた絶妙な道化ぶりであった。19世紀のパリでは,フュナンビュール座の道化ドビュロー(映画《天井桟敷の人々》でJ.L.バローが演じた役)が,白い衣装に白塗りの憂い顔の新しいタイプのクラウンを創造し,大衆のみならず詩人や芸術家を魅了した。ピカソルオー絵画チャップリンフェリーニの映画の中に,クラウンは魅力的に生きている。
道化
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「クラウン」の意味・わかりやすい解説

クラウン

道化役の一つエリザベス朝演劇でフールfool(道化)の役を専門とした俳優をさし,シェークスピアの劇でも重要な役柄を占めた。今日ではサーカスや寸劇などのおどけ役として登場。
→関連項目ピエロ

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クラウン」の意味・わかりやすい解説

クラウン
CROWN CORPORATION

音響機器メーカー。1948年旭無線電気として創立。1955年には「クラウン」ブランドでラジオ輸出の先鞭をつけた。1960年クラウンに改称。以降クラウン・ラジオをアメリカ合衆国やイギリスなどに設立し,海外販売活動を拡充。1987年に田尻機械工業を吸収合併。1993年宮越商事となる。テープレコーダ,カーステレオ,CDプレーヤなどの音響機器を製造,販売。映像,通信機器へも進出するとともに,貿易仲介部門を拡充した。2011年持株会社体制へ移行し宮越ホールディングスを設立,その傘下に入った。2012年,現社名に変更。

クラウン
crown

(1) 王冠またはの総称。 (2) 帽子の山部の意。帽子には,頭の入る部分だけから成っているキャップ capと,それにブリムがついたハット hatとがあるが,どちらの場合も,頭の入る部分をクラウンという。特にその頂はトップクラウン,側面部はサイドクラウン,根もと部分は製作上サイズ元,と呼ばれる。

クラウン
Crowne, John

[生]1640?
[没]1703?
イギリスの劇作家。『上品優雅卿』 Sir Courtly Nice (1685) などの喜劇で人気があった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル大辞泉プラス 「クラウン」の解説

クラウン

トヨタ自動車が1955年から製造、販売している乗用車。4ドアセダンを中心とし、様々な派生車種がある。名称は英語で王冠を意味し、初代モデル以来、フロントグリルに王冠をあしらったエンブレムが用いられる。トヨタの高級大型車の代名詞として知られる。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クラウン」の意味・わかりやすい解説

クラウン
くらうん

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のクラウンの言及

【道化】より

…foolの語源はラテン語のフォリスfollis(〈ふいご〉の意)で,道化の無内容な言葉を〈風〉にたとえたと思われる。他にも類語は多く,貴族・富豪の饗宴に伴食したバフーンbuffoon(これも〈風〉を意味するイタリア語buffaに由来する),宮廷お抱えのジェスターjester,タロット(のちのトランプ)のジョーカーjoker,神話・伝説や儀礼に登場するいたずら者のトリックスター,そしてコメディア・デラルテからサーカスを経てミュージック・ホールや無声映画にいたる民衆的芸能に欠かせぬクラウンなどがある。 これらを整然と区別し定義するのは不可能だが,後述する〈儀礼の道化〉が典型的に示している,固定的な秩序へのおどけた批判者,思考の枠組みの解体者という役割は,あらゆる分野の道化に共通して見られる。…

【ピエロ】より

…喜劇,パントマイムなどに登場する喜劇的な定型人物(役柄)の呼称。また日本では混同してサーカスのクラウン(道化)をこの名で呼ぶことも多い。 コメディア・デラルテの召使役ペドロリーノPedrolino役が起源とされ,その後1547年の台本にはピエロの名で出現する。…

※「クラウン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android