信州伊奈郡郷村鑑(読み)しんしゆういなぐんごうそんかがみ

日本歴史地名大系 「信州伊奈郡郷村鑑」の解説

信州伊奈郡郷村鑑
しんしゆういなぐんごうそんかがみ

一巻一冊 宮崎言周著

成立 元文六年

分類 地誌

原本 飯田市江戸浜松下竜輔

解説 著者が飯田藩侯に仕え、小物成奉行等を勤仕中、地位を利用して収集書写した簿冊類をもとにして、家書・聞書等を加えて選述したもの。上・下伊那郡の史誌で、全編を三部に分つ。第一部は伊那郡の環境と幕藩体制、続いて城地・陣屋・関所古城等及び郷村の開発・由来・寺社縁起略を叙し、殊に村高の変遷・税率等地方(じかた)に関する事柄を詳記し、第二部には山岳地帯を西山・川東に区分し、入会林野の推移・慣行・争論を、第三部では名所・旧跡物産伝記等に及ぶ。特に地方に関する事項に意を用いて、領主に関する記事を簡略にしている点が注意される。内容の信憑性が高く史誌として有益である。

活字本 伊那史料叢書第二三巻

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報