保良村(読み)ぶらむら

日本歴史地名大系 「保良村」の解説

保良村
ぶらむら

[現在地名]城辺町保良ぼら

現城辺町の南東部に位置し、北は新城あらぐすく村、東は平安名ぴやうな村、南部は海に面する。当村は昔も存在したが廃村のため原野になったので、改めて康熙五五年(一七一六)に現在地に村立てしたという(雍正旧記)。昔の村跡を元島とよぶ。延祐四年(一三一七)婆羅公管下の密牙古人(宮古人とされる)交易のためマレー半島方面に向かう途次に遭難、温州永嘉県に流れ着いたというが(「元史」仁宗紀延祐四年一〇月条、「温州府志」巻一八)、この婆羅を保良に比定する説がある。保良元島の住人は大小の船を操り、東南アジア方面と交易していたのであろう。「李朝実録」では宮古の称が弥阿槐島・弥抄槐島(世祖八年二月辛巳条)高是麼(成宗一〇年六月乙未条)とあるほか、成宗一〇年(一四七九)五月辛未条に悖羅弥古島とみえており、この悖羅が保良に比定され、当時、保良が宮古島の中心であったことによる表現であろうともいう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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