侵華日軍第七三一細菌部隊罪証陳列館(読み)しんかにちぐんだいななさんいちさいきんぶたいざいしょうちんれつかん

世界の観光地名がわかる事典 の解説

しんかにちぐんだいななさんいちさいきんぶたいざいしょうちんれつかん【侵華日軍第七三一細菌部隊罪証陳列館】

中国の黒竜江省の省都、哈爾浜ハルビン)市にある、残虐な生体実験で知られる関東軍731部隊の本部跡。731部隊は、対外的には関東軍防疫給水部と称して兵士伝染病から予防し、前線の飲料水を確保するとしていたが、実体は軍医中将石井四郎に率いられた細菌兵器開発のための秘密研究部隊だった。「満州国」時代に、石井らは日本軍の捕虜となった中国人やロシア人を実験材料にして残虐きわまりない生体実験を行っていた。具体的には、戦後ハバロフスクでの極東軍事裁判で初めて明らかにされた。中国側の資料によると、犠牲者は中国人、ロシア人、朝鮮人などあわせて3000人以上に上った。当時の建物は、日本敗戦の際に罪状が明らかになることを恐れた石井らによって破壊されたが、敷地内には今でも実験用ボイラー室をはじめ、死体焼却炉、実験用ネズミ飼育室、凍傷実験室、細菌爆弾工場などの跡が残っている。

出典 講談社世界の観光地名がわかる事典について 情報

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