価格調整補給金(読み)かかくちょうせいほきゅうきん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「価格調整補給金」の意味・わかりやすい解説

価格調整補給金
かかくちょうせいほきゅうきん

第二次世界大戦直後のインフレーション下の日本で、低物価政策と価格統制維持を通じて経済復興を図るため、基礎的物資と食糧とに財政から支給された補助金価格差補給金ともいう。生産者への安価な物資供給と、消費者への安価な食糧供給の役割を果たしたが、反面、1947年度(昭和22)で一般会計歳出の21%、48年度で同24%に達し、財政を圧迫した。補給金支出の最大の対象は鉄鋼業であり、いわゆる傾斜生産方式はこの補給金をてこに成功したといえよう。49年度予算以降のドッジ・ライン実施により、しだいに削減され、54年度に全廃された。

[一杉哲也]

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