作間渡世(読み)さくまとせい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「作間渡世」の意味・わかりやすい解説

作間渡世
さくまとせい

作間かせぎ,農間 (のうかん) かせぎともいう。江戸時代,本来は商工業者の都市集中,農民の転業禁止により農業に専念すべき立場にあった農民が,『慶安の御触書』にもみえるように農耕余暇に商業,工業,賃労働にたずさわったこと。炭焼き,たきぎとり,駄賃かせぎ,鍛冶紺屋大工左官などの職人,機織,藍玉,繰綿,油しぼり,米つきなどの加工,農具や日用雑貨の小売店,居酒屋,煮売屋などの商いなど,地方によって雑多であり,兼業がたてまえで,わずかの営業税が課せられたが,やがて在郷商人に成長するものもあった。

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