精選版 日本国語大辞典 「何彼無」の意味・読み・例文・類語
なにか‐なし【何彼無】
〘副〙 (「なにがなし」とも。「に」を伴うこともある)
① 種々様々の状態とならないさま。あれこれ言うことなしに。あれこれ迷うことなしに。
※浮世草子・好色一代男(1682)五「まづ咄す事もある、此舟へといふ。何角(ナニカ)なしに、乗うつりて、皆こころやすきつき合」
② はっきりとした理由もないさま。どうというわけもなく。ともかく。
※浄瑠璃・冥途の飛脚(1711頃)上「そなたへ渡る江戸金がふらりと上るを何かなしに、懐に押込んで新町迄一さんに」
※たけくらべ(1895‐96)〈樋口一葉〉九「勘定しらずの若い者など、何(ナニ)がなしに寄って」
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