佐藤一斎墓(読み)さとういっさいのはか

国指定史跡ガイド 「佐藤一斎墓」の解説

さとういっさいのはか【佐藤一斎墓】


東京都港区六本木の深広寺(しんこうじ)にある江戸時代後期の儒者・佐藤一斎の墓。墓は3重の台石上に頭部櫛形の棹石を立て、正面に「惟一先生佐藤府君之墓」と刻し、両側裏面にわたって若山極撰、市河三鼎(さんてい)の書にかかる碑文が彫られており、1949年(昭和24)に国の史跡に指定された。一斎は1772年(安永1)、江戸・浜町の美濃国岩村藩邸で生まれ、はじめは岩村藩に仕え、のち林家の塾頭となり、幕府儒官となる。その見識は朱子学から陽明学にまでおよび、「陽朱陰王」と呼ばれた。門下生は大名以下3000人といわれ、佐久間象山、渡辺崋山らの逸材を輩出し、著書『言志四録』は吉田松陰や西郷隆盛に大きな影響を与えたといわれている。1859年(安政6)、88歳で死去。東京メトロ日比谷線ほか六本木駅から徒歩すぐ。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android