佐伯門(読み)さえきもん

精選版 日本国語大辞典 「佐伯門」の意味・読み・例文・類語

さえき‐もん さへき‥【佐伯門】

古代における宮城十二門の一つ。平城宮には存在したと推定される。早くは飛鳥板葺宮(あすかのいたぶきのみや)からあったとする説もある。西面中門で、佐伯氏の営造。弘仁九年(八一八)、好字をあて藻壁門(そうへきもん)と改称した。

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世界大百科事典(旧版)内の佐伯門の言及

【佐伯氏】より

…《延喜式》等によれば,中央の佐伯氏は大伴氏とともに門部(かどべ)をひきい,大嘗祭や元日,即位などの大儀にさいし諸門の開閉・警衛に奉仕した。宮城十二門のうち,西面中央の門が818年(弘仁9)に藻壁門と改称されるまで佐伯門と称されていたのは,佐伯氏が代々朝廷警衛にあたっていたその名を負ったものである。645年(大化1)の蘇我入鹿暗殺事件に佐伯子麻呂(こまろ)が中大兄皇子のもとで活躍し,また元明朝の709年(和銅2)佐伯石湯(いわゆ)が征越後蝦夷将軍に任命されるなど,7~8世紀には佐伯氏の武門としての伝統に応じた活躍がみられた。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」