西面(読み)ニシオモテ

デジタル大辞泉 「西面」の意味・読み・例文・類語

にし‐おもて【西面】

西の方面
「―に見えし山なり」〈更級
宮中寝殿造建物で、西に向いたひさしの間
「この―にぞ人のけはひする」〈帚木
西面さいめんの武士

さい‐めん【西面】

西に向かうこと。西向き。せいめん。
西面の武士」の略。

せい‐めん【西面】

さいめん(西面)

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「西面」の意味・読み・例文・類語

にし‐おもて【西面】

〘名〙
① 西の方角。西に向いていること。また、その場所。にしうけ。
浄瑠璃嫗山姥(1712頃)三「西表(ニシオモテ)のおばしまに、色々の燈籠をかざらせ」
② 宮中や寝殿造りの建物などで、西に向いた廂(ひさし)の間。または、西向きの建物。
※宇津保(970‐999頃)蔵開下「宮の御かたのにしおもて、にしのたいかけて、一条どのの御てうどどもはこばせ給」
※宇治拾遺(1221頃)一二「西おもて、北おもての者ども、めんめんに、これを見あらはして、高名せんと心にかけて」

さい‐めん【西面】

〘名〙
① 西に向かうこと。西に面すること。西向き。せいめん。
御堂関白記‐寛弘元年(1004)八月一一日「門北廊内西面大臣立」
※武用弁略(安政再板)(1856)四「堂下の阼階の東南の隅に立て、西面(サイメン)す」
極楽浄土のある方角としての西に向くこと。
日本往生極楽記(983‐987頃)尋静「即西面合掌而終」
愚管抄(1220)二「北面の上に西面と云事はじまりて」

せい‐めん【西面】

〘名〙 西方に向くこと。西向き。さいめん。〔礼記‐明堂位〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の西面の言及

【西面の武士】より

…院司の一つで,中世,院の御所の西面に伺候して警固にあたった武士。略して西面ともいう。…

※「西面」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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