低回・低徊・彽徊(読み)ていかい

精選版 日本国語大辞典 「低回・低徊・彽徊」の意味・読み・例文・類語

てい‐かい ‥クヮイ【低回・低徊・彽徊】

〘名〙
思案にふけりながら、頭を垂れてゆっくりと行きつもどりつすること。転じて、いろいろと考えめぐらすこと。
※江陵詩集(1741)採蓮曲「荷花冪水映羅繻、画舸低回日欲晡」
※羅生門(1915)〈芥川龍之介〉「下人の考へは、何度も同じ道を低徊した揚句に、やっとこの局所へ逢着した」 〔楚辞‐九章・抽思〕
② ひとつの事柄を考えるにあたって、つきつめることはせず、余裕のある態度でいろいろに思考の上でもてあそび味わうこと。→低徊趣味
※三四郎(1908)〈夏目漱石〉四「そこで手紙が来た時丈は、暫く此世界に彽徊(テイクヮイ)して旧歓を温める」
低空を飛びまわること。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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