伝通院(東京都)(読み)でんずういん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「伝通院(東京都)」の意味・わかりやすい解説

伝通院(東京都)
でんずういん

東京都文京区小石川にある浄土宗の寺。無量山寿経寺(むりょうざんじゅきょうじ)と号する。1415年(応永22)了誉聖冏(りょうよしょうげい)により開創された。徳川家康の生母お大(だい)の方が遺命により当寺に埋葬され、再興後その法名をとって伝通院と称されることになった。以降、徳川家の外護(げご)を得て寺門は大いに栄え、寺領830石を寄せられ、浄土宗の学問所たる関東十八檀林(だんりん)の一に列せられた。しかし明治維新後は衰え、しかも堂宇戦災により焼失したが、現在は本堂書院鐘楼などが再建されている。墓域には伝通院のほか、天樹院(てんじゅいん)(徳川秀忠(ひでただ)長女千姫(せんひめ))、本理院(ほんりいん)(徳川家光(いえみつ)正室)や、徳川家大奥代々の墓のほか、幕末の志士清河八郎、教育家杉浦重剛(すぎうらしげたけ)、作家佐藤春夫などの墓がある。

[森 章司]

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