伝通院(徳川家康の生母)(読み)でんずういん

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

伝通院(徳川家康の生母)
でんずういん
(1528―1602)

徳川家康生母、お大(だい)の方。三河(愛知県)刈屋城主水野忠政女。1541年(天文10)岡崎城主松平広忠(ひろただ)に嫁し、翌年竹千代(たけちよ)(家康)を生む。ところがその翌43年父忠政が死去すると、兄信元は尾張(おわり)の織田(おだ)方につき、今川氏と結ぶ松平氏とは敵対関係になったので、44年離婚。刈屋に戻ってのち、尾張知多郡阿古屋(あこや)(愛知県阿久比(あぐい)町)領主久松俊勝(ひさまつとしかつ)と再婚した(その間に生まれた子が久松松平氏を称する)。しかしその後も家康との音信は絶やさなかったという。家康制覇後、1602年(慶長7)2月、家康の招きで上京して伏見(ふしみ)城に入り、内大臣家康の母としての待遇を受けたが、同年8月没した。法号は伝通院光岳蓉誉智光。江戸小石川の伝通院(東京都文京区)に葬った。

[辻 達也]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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