伊浦(読み)いねうら

日本歴史地名大系 「伊浦」の解説


いねうら

伊禰庄の海岸に面する地域をいい、中世末までは現宮津市の一部をも含んでいた。宮津市字いわはなにある山王社(現日吉神社)の天文一八年(一五四九)の棟札には「奉造立伊禰山王社御遷宮時御百姓中官途之人数」に「権守」の支配する村として日出ひで村・平田ひらた村・高梨たかなし村、さらに日出村のうちのうえ・下・西にしなど現伊根町地域と考えられる村名のほかに、「大嶋」「野田」など宮津市域の地名が記されている。

近世になると「伊禰浦三ヵ村」とよばれて現伊根町の日出・平田亀島かめしま地域をさすようになった。「宮津府志」は次のように記す。

<資料は省略されています>

伊禰浦三ヵ村は波静かな内湾に臨んで集落を形成している。内湾の口にはあお島が浮び風光明美である。伊禰浦漁業はこの湾内に始まり、のち湾外に発展した。伊禰浦に並ぶ舟小屋と集落の景観はこの漁村の特徴をよく表している。海岸に向けて舟小屋が妻入に並び、反対側に平入の母屋が並ぶ。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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